NAS(Network Attached Storage)はネットワーク上に接続されたハードディスクで、ネットワーク上の複数のパソコンで情報を共有することができます。
大量の情報を蓄積でき、アクセス管理機能も充実しているので近年広く普及しています。
通常NASにはSambaが組み込まれていて、Windows PCのExploreから自分のファイルアクセスをするのと同じ要領でNASのファイルをアクセスできます。
一般にNASをアクセスできるのは同一LAN内のPCだけです。
インターネットを経由して遠隔地からNASをアクセスするときは、NASや周辺ネットワーク機器の設定が必要になります。
この作業は一般の人にとっては難易度が高く、通常は情報システム部門の担当者が行うか、外部の専門家に依頼します。
しかし、ここで示す方法により、ネットワークの知識がない人でも安全に外部からのNASアクセスが可能なシステムを作れます。
すなわち、VNETプラスを利用したリモートアクセス技術を利用します。
NASは新規アプリケーションのインストールができないことが多いので、ここではVNETアダプタを利用する方法を示します。
以下の図では赤矢印がVNET通信、青矢印が一般通信であることを示しています。
以下の手順を踏むと確実で安全にNASのリモートアクセスが実現できます。
Step1:同一LAN内でNASのアクセス動作を確認する。
まずは通常のNASアクセスシステムを実現します。
NASの利用方法の詳細についてはここでは省略します。
NASがSambaに対応していれば、PCからNASへアクセスする手順は、Windowsのファイル共有の方法と全く同じです。
Step2:VNETアダプタの設置とVNETプラスのインストール
VNETアダプタをスイッチングハブの空ポートにLANケーブルで接続してください。
Windows PCはVNETプラスをインストールしてログインします。
アダプタには以下の情報を設定します。
任意のPCからアダプタにWi-Fiで接続し、ブラウザのURL欄にアダプタのIPアドレス(102.168.200.1)を入力することにより設定が可能になります。
アダプタには以下の設定例のようにNASのVNET IDとNASのIPアドレスを登録します。
設定が終わったらアダプタもログインしてください。
VNETプラスを使った通信で、Step1で確認した動作がそのまま動くことを確認してください。
Step1では通信相手をIPアドレスで指定しましたが、VNET通信ではVNET IDを使います。
この時のアクセス経路は以下の図のようになります。
PCから送信されたパケットはまずアダプタに到達します。
そのパケットはVNET通信から一般通信に変換されてそのままNASに転送されます。
NASから見るとアダプタからアクセスがあったように見えます。
NASの内容が閲覧できたらVNETが正しく動作していることを確認できたことになります。
Step3:PCを移動して別のネットワークからNASをアクセス
Step2まで確認できたら、PCをどこに移動してもかまいません。
インターネット経由でNASがリモートアクセスできることを確認できます。
冒頭の図はその様子を示したものです。
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