リモートデスクトップとは、手元のPCからIPネットワークを経由して他PCのデスクトップ環境を操作する技術です。操作される側をここではホストと呼ぶこととします。ホストは通常は業務用サーバにクライアントとしてアクセスしています。リモートデスクトップを操作する側のPCをクライアントと呼びます。
サーバは通信を待ち受ける装置、クライアントは通信を開始する装置と考えればよいです。
リモートデスクトップにはインターネット経由で操作をする方式とLAN内での利用を前提にした方式があります。
インターネット経由のリモートデスクトップの代表として、ChromeリモートデスクトップとTeamviewerがあります。インターネット経由の場合は通信経路上にNATが必ず存在しますので、インターネット上の中継サーバを経由した通信となります。
ホストは常時中継サーバにパケットを送り続け、通信経路を確保しておきます。クライアントはこの経路を介してホストにアクセスします。
LAN内での利用を前提とした方式の代表として、VNC (Virtual Network Computing)、MS RDS(マイクロソフトリモートデスクトップサービス)、Teamviewer LANモードがあります。
LAN内にはNATがないので、クライアントからホストに直接アクセスできます。クライアントはホストのIPアドレス、または名前で指定します。名前で指定する場合は、DNSなど名前解決の仕組みがLAN内に存在する必要があります。
LAN内利用を前提とした方式は、VNETと連携することにより、インターネット経由のリモートデスクトップが可能となります。
リモートデスクトップの比較表は以下のとおりです。黄色部分が利点となります。
Chrome Desktop | Team-Viewer | VNC | VNC+VNET | MS RDS | MS RDS+VNET | TeamViewer LAN mode | TeamViewer LAN mode +VNET | |
遠隔地からの接続 | 可能 | 可能 | 不可 | 可能 | 不可 | 可能 | 不可 | 可能 |
通信経路 | 中継サーバ経由 | 中継サーバ経由 | 直接通信 | 直接通信 | 直接通信 | 直接通信 | 直接通信 | 直接通信 |
音声共有 | なし | あり | なし | なし | あり | あり | あり | あり |
ファイル 共有 | アップロードとダウンロード | 可能 | なし | なし | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
個人作業か共同作業か | 個人作業 共同作業 | 共同作業 | 個人作業 共同作業 | 個人作業 共同作業 | 個人作業 | 個人作業 | 共同作業 | 共同作業 |
備考 | 機能豊富 有料 | Windows固有 | Windows固有 | 機能豊富 有料 | 機能豊富 有料 |
以下の図をクリックするとVNETのデモ動画を見ることができます。
LAN内での利用を前提としたVNC、MS RDS、Teamviewer LANモードが、インターネットを経由して動作しています。
Windowsクライアントはモバイルルータ経由WiMAXで、WindowsホストはEthernet経由でインターネットと接続されています。
コメント