Web会議サーバを自前で構築して運用する方法

Web会議とは、パソコンやスマートフォンを利用して、会議を行うシステムです。
Web会議サーバは、一般にはインターネット上に設置し、多くのユーザが共有します。
映像による会議の他、資料を共有したり、録画をしたり、チャットなどが可能です。

Web会議システムはいくつか存在します。
例えば、ZOOM、Teams、Whereby、Jitsiなどがあります。
機能はほぼ同等ですが、無料の範囲や、価格設定の方法に違いがあります。
ZOOMの無料範囲は、時間制限が40分となっています。
Teamsの無料範囲は、時間制限が60分となっています。
Wherebyの無料範囲は、時間が無制限ですが、人数が2人に限定されています。
JitsiはWeb会議サーバがフリーソフトで提供されています。フリーソフトなので、時間も人数も制限がなく自由に利用できます。また、サーバを自社管理するため、映像が外部に漏洩する心配がありません。しかし、企業のサーバ管理者が、責任を持って管理を実行する必要があります。
ここで紹介するシステムは、jitsiとVNETプラスを組み合わせた、オンプレミスのWeb会議システムです。
Jitsiの利点をそのまま活かしつつ、その欠点を補うことができます。

この図は、jitsiとVNETプラスを組み合わせた、システム構成の例です。
Jitsiサーバがプライベートアドレス空間に設置されていることに着目してください。
Jitsiサーバは自らが保有する装置で実現できるため、時間と人数が無制限で無料です。
この構成であれば、Web会議サーバがインターネット空間から見えないため、第三者によるハッキングが困難になります。また、VNETプラスの通信グループ設定により、グループメンバ以外からの不正アクセスを確実に防止できます。さらに、映像は自らのサーバに蓄積されるため、外部に流出する心配がありません。

この表はWeb会議システムの比較表です。
時間制限や人数制限がありますが、jitsiはその制限がありません。
ZOOM、Teams、Wherebyは、ユーザがサーバ管理をする必要がありませんが、サービス提供企業を信頼し、対価を支払うことになります。
それに対し、jitsiは自社でサーバの管理能力を持っている必要があります。
jitsiとVNETプラスを組み合わせたシステムは、Web会議サーバをプライベート空間に設置できます。
そのため、セキュリティが向上し、運用管理負荷が軽減されます。
JitsiとVNETプラスの組合せは、jitsiの弱点をVNETプラスが保管し、有用性とセキュリティを両立させたシステムと言えます。

ZOOM無料版Teams無料版Whereby
無料版
JitsiJitsi+VNET
時間制限40分60分無制限無制限無制限
人数制限100人100人2人無制限無制限
サーバ管理会社米Zoomコミュニケーションズ米マイクロソフトノルウェー
Telenor
クラウドサーバを自社管理社内サーバを自社管理
サーバ設置場所インターネットインターネットインターネットインターネット社内
録音・録画ありなしありありあり

以下の図をクリックするとJitsiとVNETを組み合わせたWeb会議のデモを見ることができます。

このようなTV会議システムを構築するには以下の手順が必要です。
まずjitsiサーバのセットアップが必要です。
Jitsiサーバは公開鍵証明書が必要です。これがないと画像が表示されません。
Letsencryptと呼ぶ無料の公開鍵証明書提供サービスがあるので、それを使うことが可能です。
しかし、Letsencryptはサーバがグローバルアドレスを持つ場合であれば簡単に利用できますが、今回の例のようにプライベートアドレスを持つ場合は一工夫が必要です。
jitsiサーバの構築方法については別投稿でお話しします。

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